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「鑑定評価書」と「調査報告書」の違いとは?

男性の皆さんは、普段の「散髪」、フルコースですか?カットだけですか?

私は普段でしたら「カットだけ」のコースですね。

費用も安く済みますし、時間も30分程度ですから、
どこか現地調査で出向いた先などで済ますことが多いです。

ただ年末とか、何かの節目にはカットだけでなく、
シャンプーやマッサージもしてもらう「フルコース」をお願いしています。

たまに、このフルコースをしてもらうと、さすがプロだなぁ~と、満足な気分になります。

モチロン「カットだけ」よりも、時間はかかりますし、値段もかかりますが、
髪の毛をキレイにしてもらっただけでなく、まるで上半身がチューンアップしたような感じを覚えます。

さて、私、不動産鑑定士が行っております「不動産の評価」ですが、基本的に「鑑定評価でできるもの」は「鑑定評価で対応」することとなっており、「不動産鑑定評価書」というレポートを発行させていただいております。

ただし、「鑑定評価」は、散髪でいうところの「フルコース」のようなもので、不動産の価値を把握するに当たって精緻な検討・分析を行いますし、鑑定評価の内容に対してもご満足いただけるものとなりますが、手間や時間がどうしてもかかります。

ですので、
・時間をかけずにある程度の不動産の価値(価格や賃料水準)を知りたい
・あまり予算をかけずに不動産の価値を知りたい
といったご要望には「調査報告書」にて対応もしております。

適用すべき鑑定評価のやり方や、鑑定評価書だったら記載・調査すべき事項(例.詳細な根拠データの提示など)を省略・簡略するもので、評価費用も評価にかかる時間も少なくて済むもので、上記の散髪でいえば「カットだけ」とお考えいただいて結構かと思います。

当然ですが、評価のやり方が簡略化されますから、正式な鑑定評価を行った場合の結論(鑑定評価額)より精緻ではありませんが、「だいたいの水準を知りたい」「予算がかけられない」といった場合にはご利用いただければと思います。

ただ、この「調査報告書」による対応ですが、いろいろと法律の縛りがありまして、当事者以外の第三者が関係する場合は、原則として調査報告書による対応ができません。

この例として、例えば、評価する不動産を担保にして、第三者から資金を調達するケースが考えられます。

この場合、鑑定評価に比べて結論がブレる可能性があると、第三者に損害を与えることとなりますから、評価のやり方の簡略は許されません。

実は、先週ですが、弁護士との共同研修会に出席して、弁護士から
『鑑定評価書と調査報告書の違いがわからない』
という質問があり、別の不動産鑑定士がその違いを解説していましたが、それを聞きながら自分だったらこう応えるかな、と思ったことを本日のブログの内容とさせてもらいました。
(「散髪」にしようか、洗車の場合の「プロによる手洗い洗車」「セルフによるコイン洗車」にしようか迷いましたが・・・・)

また、その研修会の場で、
『別々の不動産鑑定士がある不動産を評価すると、鑑定評価額が大きく違う場合があるのはなぜか?』
といった質問もありました。

これについて、ある鑑定士が「鑑定評価を行うにあたっての条件設定に温度差があると、結論の鑑定評価額にも温度差が生じる」という主旨の回答がありましたが、私から言えば、「不動産鑑定士の能力の差」によるものだと思います。

やはり同じ鑑定評価料を支払うなら、鑑定評価の経験が少ないより多い方がある方がいいですし、能力もある不動産鑑定士の方がいいですよね。

依頼する不動産鑑定士に【能力があるかどうかの見極め方】ですが、今日の内容が長くなりましたので、次回に述べたいと思います。



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