入札(価格競争)という発注方式について思うこと
平成24年4月に開業してから5年目ですが、家内や懇意にしている先輩鑑定士からみれば、経営者としてはまだまだらしいです。
何とか「仕事のお声掛け」もほぼ継続的にいただけるようになってきましたが、何ともお厳しい評価です・・・泣
私の場合、仕事のお声掛け先(ご依頼者)は、民間の法人様と、行政からのものがそれぞれ半々ぐらいでしょうか・・・
行政からのお仕事の発注方式は入札(価格競争)が大半です。
昔は、行政の担当部署に何度も顔見せ(名刺配り)をして、顔を覚えてもらって随意契約というのが大半でした。
でも、昨今は業者との癒着を避け、契約の透明性・可視化を確保するため入札という発注方式がほとんどになってます。
そのため、評価する不動産が神戸なのにもかからわず、入札の結果、安価で落札した関東の鑑定士という発注例も聞き及んでいます。
その評価内容を間接的に知ったのですが、目も当てられないものだったそうです(詳細はもちろん言えません)。
仕事が欲しいだけの業者に依頼したことで、結果的には使い物にならず、「安物買いの銭失い」ということになったようです。
別に入札が悪いとは言いません。
誰がやっても結果が同じの仕事なら、コストパフォーマンス(費用対効果)の観点から入札は合理的でしょう。
不動産の価値を求めるために、国家資格をもつ不動産鑑定士に評価の依頼をするのは間違ってません。
ただ、どんな不動産鑑定士に依頼するかが問題です。
入札によって、その地域に精通している不動産鑑定士を選べるわけがありません。
入札によって、個別性が強い不動産に精通している不動産鑑定士を選べるわけがありません。
一見、住民のためといいながらの入札って結局は税金の無駄遣いになりかねません。
地域や個別性が強い不動産に精通するのは、何度も足を運び、お金を使うことをしないとできないはずです。
つまり、コストがそれなりにかかっているということです。
価格だけでその地域のことや個別性が強い不動産のことを真剣に考えられる人を排除して良いんでしょうか?
ちなみに、私の目から見て、兵庫の不動産鑑定士のうち半分は不断の研鑽を怠らないまともな専門家です。
でも、残りの半分は評価の知識が危うい仕事が欲しいだけの業者です(恥ずかしい限りです)。
発注者側もいい加減そのあたりに気付いて欲しいものです。
新年度の行政からの評価依頼がそろそろ出始める頃となったので、受注側としていつも思っていること(入札という発注方式に対する不満)をぶちまけてみました。
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