賃貸住宅に入居すると、家賃と併せて毎月請求されることがある「管理費」「共益費」というものがあります。
この賃貸住宅の「管理費」「共益費」はどのような用途に使われるものかご存知でしょうか?
まず、これらは区別される費用です。
「管理費」は
・賃料の入金管理や集金
・清掃に使われる費用
・管理人の人件費
・借主のクレームに対応する際の費用
を指します。
一方、「共益費」は廊下や玄関などの共用部分の電気水道代に使われるのが一般的です。
そして、修繕に使われる費用は「修繕費」として計上され、家賃収入から貸主が支出するのが一般的ですから、お風呂や備え付けのエアコンなどが経年劣化で故障した場合の修理費用は基本的にその不動産の持ち主である貸主が負担することになります。
ただし、乱暴な使用など通常の使用以外で発生したと判断される故障は借主が負担することになります。
貸主と借主のどちらが負担するのか?でよくトラブルとなるのが「鍵」です。
賃貸住宅の鍵が開けにくくなったので管理会社に連絡すると「鍵の業者は手配するが修繕費は借主の負担」と告げらるケースがあります。
これは、入居時に新しい鍵がつけたければ借主負担で鍵交換することが多いように、鍵は「貸主の所有物」という感覚が貸主や管理会社側にあるためです。
鍵が開けにくくなった原因が「入居前から設置されている鍵をそのまま使って経年劣化で錆びてしまった」というものであれば、借主負担でなく貸主負担により修繕すべきです。
では、台風や地震などの自然災害では窓ガラスや壁に亀裂が入って損傷する場合がりますが、この場合の修繕費は誰が負担するのでしょうか?
現在では台風については事前に被害を予想することがある程度可能ですから、予想されていながらテープなどの補強もせず放置したために窓ガラスが割れた場合、借主に対して「善管注意義務(通常期待される程度の注意をする義務)」違反が問われるかもしれません。
ただし、通常は貸主が入っている保険でその費用をカバー、つまり貸主が負担するものです。
現在でも予測できない地震による損傷の場合も同様ですし、そのような場合は「管理費」「共益費」は使われません。